だし(出汁)はかつお節や昆布など食品を水につけたり煮て出してうま味成分を抽出した液体で、日本の伝統的な食文化「和食」の基本です。料理にうま味成分と香りを与え、素材のおいしさを引き立たせてくれる「だし」の種類と特徴をご紹介します。
- かつおだし
- 昆布だし
- 煮干しだし
- しいたけだし
- 合わせだし
かつおだし
材料 | かつおぶし |
特徴 | 和食の代表的なだしのベース。豊かな風味とうま味を持ち、香り高くすっきりとした味わい。 |
主なうま味成分 | イノシン酸。細胞の活性化や新陳代謝を促す。抗酸化、美肌、疲労回復にも効果がある。 |
向いている料理 | 吸い物や茶碗蒸しなど、だしが主役になる料理 |
昆布だし
材料 | 昆布 |
特徴 | かつお節と並ぶ代表的なだしのベース。上品で控えめなうま味を持つ。利尻、羅臼、日高など産地によって風味が変わる。 |
主なうま味成分 | グルタミン酸。脳の活性化や脂肪蓄積の抑制、血圧を下げる効果がある。 |
向いている料理 | 精進料理、野菜料理、鍋など |
煮干しだし
材料 | カタクチイワシやウルメイワシ、トビウオ(アゴ)などの煮干し |
特徴 | かつおだしより酸味が弱く、香りが強く濃厚。 |
主なうま味成分 | イノシン酸 |
向いている料理 | みそ汁、ラーメン、麺類のつゆなど味付けの濃い料理 |
しいたけだし
材料 | しいたけ |
特徴 | 風味が強いため、他のだしと合わせて使うことが多い。出汁に茶色い色がつく。 |
主なうま味成分 | グアニル酸。干すことで生成されるグアニル酸を抽出するには、低温で正しく効果的な水戻しをすること。代表的なうまみ成分グルタミン酸とグアニル酸を一緒に摂取すると、グアニル酸が舌の味覚受容体の構造を変え、うまみ成分を長く保持するようにする。 |
向いている料理 | 煮物、そうめんなど |
野菜だし
材料 | 大根やキャベツ、玉ねぎなどの野菜の切れ端、皮、芯など |
特徴 | 風味がまろやかで甘みがあり、癖がない。うまみとたっぷりの栄養が摂れる。 |
主なうま味成分 | グルタミン酸。ファイトケミカルをはじめ抗酸化作用に優れる栄養素が多く含まれている。 |
向いている料理 | スープ、みそ汁、カレーなど |
合わせだし
材料 | かつお節と昆布、昆布と椎茸など |
特徴 | 香りと深いうま味を持つ、一般的なだし。 |
主なうま味成分 | イノシン酸、グルタミン酸 |
向いている料理 | 吸い物、煮物など幅広く使える |